BioNet elbis
第1回 TEM可視化検証ツールelbis ユーザーズ・ミーティング
弊社はこの度、透過型電子顕微鏡(TEM)像の可視化検証ツールelbisのユーザーズ・ミーティングを下記の通り開催します。
ebisは従来のTEMシミュレーション・ソフトウェアとは異なり、GPUを駆使して従来比20倍から100倍(当社比)の速度で計算することが出来ます。マウスで、フォーカスや収差量を変えながら、リアルタイムで像変化が観察できTEM特有の、低電子線量によるポアッソン・ノイズを考慮したTEM画像の再現や、タンパク質単粒子などの巨大な結晶のTEM像の再現、3次元構造の再構成などの様々な機能を有します。
elbisは単なるシミュレーションに留まらない、ナノ世界の可視化検証ツールとしてTEM観察の確実性を高め、観察時間の短縮により研究効率を大幅に高めることが出来ます。
本ミーティングでは、elbisを用いた解析事例として、東大原野先生、東大熊本先生、高エネルギー研究所守屋先生にご発表頂きます。また弊社からは、elbisの実演により様々な機能をご紹介し、新たなTEM観察手法をご提案させていただきます。
elbis のご紹介とデモンストレーション
株式会社バイオネット研究所
細川史生
BioNet elbis (以下elbis)は透過電子顕微鏡にて得られる、透過像(TEM像)、走査透過像(STEM像)、電子回折、ビーム強度、Ronchigram、等々、これらのシミュレーション計算を行うソフトウェアです。試料内部の電子の伝播を、マルチスライス法による動力学的手法で計算し、また、光学系の影響は相互透過係数を収差補正電子顕微鏡に拡張して計算することで、単結晶からタンパク質のような分子量の大きな試料まで、高分解能像シミュレーションが可能です。GPU搭載のパーソナルコンピュータを用いての高速並列演算により、通常のCPUによる計算と比べて、数十倍~数百倍の処理速度で計算が行えます。
elbisの動作環境
Os Windiows 7/8/10, GPU NVIDIA cuda 対応GPU
elbisの主な計算機能 (compute capability 3.0 Quadra k5000 使用時)
2次元FFT計算時間 512x512 複素データにおいて0.5msec 以下
相互透過係数計算時間 5次までの全ての波面収差と6回非点を考慮した
4000の波の相互透過係数(h-Nb2O5の計算に相当)において50msec以下
STEM像計算時間 YBa2Cu3O4 [010], 厚さ7nm(スライス厚み0.5nm)、
scanning pixels 38x111のHAADF 計算において20sec 以下
干渉性の計算 一般の収差補正電子顕微鏡の残存収差(5次までの波面収差と6回非点、
7次収差の一部)を考慮した干渉性が計算可能
その他の特徴
疑似乱数の発生により、アモルファス包埋状態の試料のTEM/STEM 像計算が可能
クラスター分子、不定形試料(タンパク質、高分子等)のTEM/ STEM 像計算が可能
電子ドーズ量に対応したショットノイズ像の計算が可能
CBD計算に際して、試料内部での電子プローブの形状変化が計算可能
一般の試料構造フォーマットである、xyz ファイル、carファイルの読み込みが可能
今回のセミナーでは、elbisのご紹介と実際のデモンストレーションを予定しております。